表題の通り,「米国FE試験」を受験してみることにします.
きっかけ
なにか資格が欲しくて調べてたら見つけた.もっていたらカッコ良さそうだったから.
とりあえず事前知識はなにもないので,一から調べてみました.
米国FE試験とは何か?
FE試験 = Fundamentals of Engineering Examination (直訳で工学の基礎試験,以下FE)は米国の試験です.
日本でいう技術士補試験のようなもので,技術士にあたるProfessional Engineer (PE)と呼ばれる資格を取るための1次試験です.
日本の資格と名前が被っているので,「アメリカ FE試験」などで検索しないと見つからない
まず何をすればいいのか
申請
とにかく受験の申し込みに時間がかかるよう(半年?申請時期さえあえば数週間で受験許可は下りる.申請は3ヶ月分をまとめて受け付けられるので遅くても4ヶ月程度で申請が下りることになる).申請が通り,受験可能となってから,1年間のチャンスがあるため,受けようと思った人は早めに行動すべし.申請にはJPECサイトにあるフォーマットのほかに
・ 5cm * 5cmの証明写真
・英語の卒業証明書
・英語の成績証明書
・振込済みの払込取扱票の断片のコピー(郵便局の窓口で支払う方がいいと思う)
が必要.
あまりに変則的な写真サイズなので,自分はL版でプリントして,カッターで切って用意することにした.あと英語筆記体によるサインが必要.
私の学校では,英語版の証明書の発行に1週間以上の期間が必要であった.
これらを含め,準備に2週間程度かかった.
JPECの申請締め切りは,年4回(2018年は2月,5月,8月,11月の末日)とのことで,私は5月31日ギリギリに郵送した(発送日は29日).
審査結果は6月9日に届き,結果は「受験許可」.
続けてNCEES(米国のFE主催団体)にMyNCEES経由で登録を行う.
その際に受験料をVISAまたはMaster Cardのクレジットカードで支払う.
受験に関わる費用の支払いは,JPECへの申請時(郵便払込経由)とNCEESへの申請時(クレカ経由)の2回あり,それぞれ約20,000円かかる.
米国FE試験の内容
試験の方式
全110問.試験時間は5時間20分で途中25分の休憩あり.全てコンピュータを使用した選択式の問題だが,ただの択一式ではなく,マウスのドラッグによる並べ替えや図の任意の場所のクリックで回答するなど,記述式に近い内容の模様(AIT方式と呼ばれ2017年に導入されたらしい(*4),Youtubeの動画がある).
受験はパソコンで行うが,専用の会場で受けなければならない.日本では東京か大阪で受験可能.
Wikipedia(*5)によれば,2015年に試験方式が大きく見直された模様.
試験範囲
7種類の問題セットがあり,それぞれ異なる.
・FE Chemical
・FE Civil
・FE Electrical and Computer
・FE Environmental
・FE Industrial and Systems
・FE Mechanical
・FE Other Disciplines
詳しい出題範囲は,NCEES FE exam information からそれぞれ見られる.
米国Wikipediaによると,2014年に全科目共通の午前試験は廃止され,各問題セットごとに,内容が完全に分かれた.
各問題の出題内容から最も得意なものを選ぶべき.
持ち込み
・電卓
関数電卓を持ち込み可能.ただし,機種の制限があるため,確認必須.
米国会場で使用可能な電卓の一覧は NCEES calculator policy
日本では上記に加えてCasio製の多くの電卓が使えるよう.NCEES engineering で受験地をJapanにすると,その旨が表示された.
・Reference Handbook
正確には持ち込みではないが,受験会場で貸し出しされる公式集.内容はNCEESに登録することで閲覧可能.
受験可能時期
年間を通して.
再受験
1年を4つの四半期に区切り,各四半期で1回受験できる.1回の受験許可で最大3回の受験が可能.
合格基準
NCEESの資料を見る限り,開示されていない.
以前は7割くらいでよかったようだ(*1).
勉強方法
参考文献
本
*1 ワオ・コーポレーション,柏雅・年光孝夫:「目指せ!PE/FE」,日本能率協会マネジメントセンター,2002.
PE/FEに関して網羅的に説明されている唯一の日本語書籍だと思う.中古で安かったので買った.受験を検討する段に「どんな資格なのか?」「どんなことをすればいいのか?」などを知りたい場合には購入をお勧め.
*2 Michael R. Lindeburg (PE) : 「FE Review Manual (Third Edition)」,The Power to Pass.
上記「目指せ!PE/FE」に紹介されていた米国の参考書.ミスミのカタログ1冊分くらいの大きさに過去問題が中心だが解説も結構豊富.もちろん全て英語.
ぼろぼろの中古でいちまんえんくらい,べりーえくすぺんしぶ.
FE Review Manual (text only) 3rd (Third) edition by M. R. Lindeburg PE
- 作者: M.R. Lindeburg P.E.
- 発売日: 2012
- メディア: ペーパーバック
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今は科目ごとに分かれているので、上記の本よりも、科目別の本を買うべき
例えば、
Fe Mechanical Review Manual: Rapid Preparation for the Mechanical Fundamentals of Engineering Exam
- 作者: Michael R. Lindeburg
- 出版社/メーカー: Professional Pubns Inc
- 発売日: 2014/05/01
- メディア: ペーパーバック
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Web
*3 JPEC | JPEC-内閣府認証NPO法人 日本PE・FE試験協議会-The Japan PE/FE Examiners Council
日本でFEを受けるために,この団体を経由して手続きを行う.申請方法が丁寧に記載されているため,よく見るべき.ただし,試験の具体的な実施内容に関する情報は非常に少ないため,他サイトから情報を得る必要がある.
本家本元の米国でFEを実施している団体.試験の詳細はこちらから.
また,会員登録することでReference HandbookをPDFで閲覧可能.
*5 Fundamentals of Engineering Examination - Wikipedia
英語版Wikipedia.参考にした本(目指せ!PE/FE)が古いため,変化した情報が無いかを逐一確認した.ただし,このWikipediaの情報も古い(2017年以前の情報)ので,公式サイトをちまちまとチェックするしかないかも.
私の合格見込
Fランとはいえ,工学研究科の大学院生ですから取らないとまずいでしょう(と自分を追い込んで行く).
TOEICの点数は500点くらい.英語を実際に使えるかとTOEICの点数は関係ないって先生も言ってたし大丈夫っしょ.
正直まだ勉強してないのでなにもわかりませんが,大変苦労するのは間違いないでしょう.化学とか中学以来やったことないし.