LGはMacにこそふさわしい
LGは世界トップクラスのシェアを持つ液晶ディスプレイメーカーです。
ディスプレイの品質の高さは有名で、特に高解像度ディスプレイでは圧倒的なシェアを持っています。
Appleも,Apple Store限定のLG製ディスプレイを販売しているなど、LGのディスプレイやブランドに信頼を置いているようです。
LGはMacBookに最も合う外部ディスプレイメーカーと言って差し支えないのではないでしょうか。
さて、そんなLGのディスプレイですが、公式サイトを見ると...
4Kに絞った上でも、20種類以上の製品があります。
本記事では、そんなLGの4Kディスプレイについて,どのように点に着目して選べば良いかを調べてまとめてみました。
どのディスプレイを買えばいいのか?
LGのディスプレイの良さをわかっていただいたところで、LGの4Kディスプレイの具体的ラインナップを見てみましょう。
最初は、一部代表的なものに限ってご紹介します。
27インチ (597 x 336 mm)
4Kの主力サイズです。一辺のサイズが15インチMacの1.5倍くらい、13インチMacの1.8倍くらいで、十分に大きなサイズです。
LGはこのサイズの4Kディスプレイを10種類以上も販売しており、それぞれ微妙な差異があります。
詳細比較は後にするとして、まずその中からいくつか紹介します。
27UL500
おそらく最もポピュラーのモデルです。私も購入しました。
4Kに対応しながら安価で、Display PortやHDMIの入力、300nitの明るさを持つバックライトを持ち、HDR(ハイダイナミックレンジ:明暗の描写力)に対応しています。
安価でありながら十分に高性能な機種です。
27UP600
上記の後継にあたる機種で、価格帯が近いものの、バックライトがより高輝度になっています。HDR性能が高くHDR400という認証も取得しています。
27UP550
このサイズではミドルレンジの価格帯です。しかしながら、廉価機種と同様、HDRに対応する高解像度ディスプレイを備えながらもUSB Type-Cからの入力に対応しています。
このディスプレイとMacをUSB Type-Cケーブルで接続することで、映像を伝送しながら、MacBookの充電、USBハブ機能の使用ができる一石三鳥な運用ができます。
31.5インチ (698 x 393 mm)
27インチに比べて一回り大きく、高級機種を中心に採用されているサイズです。
一辺のサイズが15インチMacの2倍くらい,13インチMacの2.5倍くらいで、非常に大きなサイズです。
32UN500-W
このサイズとしては最安価のモデルです。
LGの4Kディスプレイは、27インチモデルは大半がIPS液晶を備えていますが、31.5インチではVA液晶を備えています。
VA液晶はIPS液晶よりも視野角等で劣るかわりに、コントラストが良く、映像を視聴するのに向いています。
32UP550-W
32UP550は上記32UN500とディスプレイ性能では特に違いはなさそうです。しかしながら、USB Type-Cに対応しており、全てのMacBook / Air / Proを最大速度で充電できる96WのUSB-C充電に対応しています。
その他
LG UltraFine 4K Display(Apple Store 限定 23.7インチ)
Apple Store限定で売られている,LGの4Kディスプレイです.高価です.
43UD79T (42.5インチ)
非常に大型で、ほとんどテレビみたいな見た目です。Picture by Picture機能などを使って最大4つの入力の映像を並べることができます。
性能一覧
以上の製品を含めました,20種類以上にもなる,LGの4Kディスプレイの全てを一覧にまとめました!!
型番 | サイズ [inch] | 方式 | 明るさ [nits] |
HDR | 速度 [ms] |
周波数[Hz] | HDMI /DP |
USB-C | USB Out |
縦向 | 校正 | PBP /PIP |
Amazon | 仕様 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
27UP600 | 27 | IPS | 400 | HDR400 | 5 | 60 | 2/1 | - | - | - | ○ | - | Amazon | LG |
27UL500 | 27 | IPS | 300 | HDR10 | 5 | 60 | 2/1 | - | - | - | ○ | - | Amazon | LG |
27UL550 | 27 | IPS | 300 | HDR10 | 5 | 60 | 2/1 | - | - | ○ | ○ | - | Amazon | LG |
27UP550 | 27 | IPS | 300 | HDR10 | 5 | 61 | 2/1 | 96W | 2 | ○ | - | - | Amazon | LG |
32UN500 | 31.5 | VA | 350 | HDR10 | 4 | 61 | 2/1 | - | - | - | - | - | Amazon | LG |
27UL650 | 27 | IPS | 400 | HDR400 | 5 | 60 | 2/1 | - | ○ | ○ | - | Amazon | LG | |
32UN550 | 31.5 | VA | 350 | HDR10 | 4 | 61 | 2/1 | - | - | - | - | - | Amazon | LG |
27UK650 | 27 | IPS | 350 | HDR10 | 5 | 60 | 2/1 | - | ○ | - | - | Amazon | LG | |
32UP550 | 31.5 | VA | 350 | HDR10 | 4 | 61 | 2/1 | 96W | 2 | ○ | - | - | Amazon | LG |
27UL600 | 27 | IPS | 400 | HDR400 | 5 | 60 | 2/1 | - | - | - | - | Amazon | LG | |
27UL850 | 27 | IPS | 350 | HDR400 | 5 | 60 | 2/1 | 60W | ○ | ○ | - | Amazon | LG | |
32UN650 | 31.5 | IPS | 350 | HDR10 | 5 | 61 | 2/1 | - | - | - | ○ | Amazon | LG | |
27UK850 | 27 | IPS | 350 | HDR10 | 5 | 60 | 2/1 | 60W | ○ | ◎ | - | Amazon | LG | |
27UP850 | 27 | IPS | 400 | HDR400 | 5 | 60 | 2/1 | 96W | 2 | ○ | ○ | - | Amazon | LG |
43UN700 | 42.5 | IPS | 400 | HDR10 | 8 | 61 | 4/1 | 60W | 2 | - | ○ | 4/2 | Amazon | LG |
43UN700T | 42.5 | IPS | 400 | HDR10 | 8 | 61 | 4/1 | 60W | 2 | - | ○ | 4/2 | Amazon | LG |
32UK550 | 31.5 | VA | 300 | HDR600 | 4 | 60 | 2/1 | - | - | ○ | - | Amazon | LG | |
32UL750 | 31.5 | VA | 600 | HDR600 | 4 | 60 | 2/1 | 60W | - | ○ | - | Amazon | LG | |
32UN880 | 31.5 | IPS | 350 | HDR10 | 5 | 61 | 2/1 | 60W | 2 | ○ | ○ | Amazon | LG | |
24MD4KL | 23.7 | IPS | 500 | - | - | 60 | 0/0 | ?W | 4 | - | - | - | Amazon | LG |
27GP950 | 27 | IPS | 400 | HDR600 | 1 | 120 | 2/1 | - | 2 | ○ | ○ | - | Amazon | LG |
27MD5KL | 27 | IPS | 500 | - | - | 60 | 0/0 | ?W | 3 | - | - | - | Amazon | LG |
32EP950 | 31.5 | OLED | 250 | HDR400 | 1 | 60 | 1/2 | 90W | 3 | ○ | ◎ | - | Amazon | LG |
表の見方と一部の性能指標を解説したいと思います.
表の順番
表は一番上が最も安い(記事更新時点、Amazon価格)機種で、下に行くほど高価になっています。
型番の法則
LGはなぜか同じサイズ同じ解像度のディスプレイをたくさん出しています.その理由は表を作った本人である私もよくわからないのですが,発売から時間が経った機種も残しつつ,継続的に新製品を出しているようです.そのため,各ディスプレイ間の性能差は極めて少なく,表にあげた項目以外,例えばデザイン・ベゼル幅などもほぼ変わりません.
型番は
- 最初の2桁:おおまかなサイズ(小数点以下切り上げ)
- UL、UN、UP:不明,この順番に新しくなっていく(UDは古くからある機種)傾向.
- 2桁または3桁の数字:不明,数値が大きくなるほど高級機種な傾向
があるほか,表では省略しましたが、末尾にアルファベット
- BまたはW:後ろ側の色、ブラックorホワイト。今の所1機種につき1色しか無い。
という情報を表していることがわかりました。
方式
液晶ディスプレイの色の表現方式です。
IPS=高級、それ以外=安物というイメージを持たれている方も多いのですが、安物に使われるのはTN方式です。
LGでは、VAとIPSがそれぞれ採用されていおり,重視したい性能によって選ぶことができます.。
両者のメリットを理解し、ご自身の用途に最適な製品を選択してください。
迷う方は売れ筋のIPSを選んでおけば間違いないかと思われます.
VA方式
VA方式はIPS方式よりも黒の表現に強く、コントラスト比(白黒のメリハリ)が高い傾向にあります。
VA方式の32UL750とIPS方式の32UL950を取るとコントラスト比が3倍も違います.
映画鑑賞など限られた用途にオススメです.
IPS方式
高級機種によく使われる方式です。
視野角が非常に広く、どの角度から見ても色が変わらない方式です。
Macでも基本的にIPS系の視野角の高いディスプレイが使われています。
グラフィック系の作業のほか,IPSは様々な用途におすすめです.
HDR(明るさ)
HDRとはHigh Dynamic Rangeの略で,これまでのディスプレイに比べてより明暗の差をはっきりと表示する仕組みのことです.
カラーのディスプレイが普及して以降,長らく色の表現は各色256段階で行われていました(色深度8bitといいます).
しかしながら,ディスプレイ技術の向上とともに,より細かく表現したり,これまでの黒よりもっと黒く,これまでの白よりもっと白く表示したいという機運から,色深度をより深く表現できる機能が普及しつつあります.
その代表格がHDR10です.
HDR10
HDR10はHDR技術で最も普及している規格であり,近年発売のBlu-ray映画(Ultra HD Blu-ray UHD-BD)などが対応しています.これまでのBlu-rayでは暗闇の中に浮かぶ星や夕焼けなどのシーンが潰れてしまっていたのが,映画館のような映像美で表現できます.
参考: 4Kテレビ選びの重要ワードHDR=「HDR10」「Dolby Vision」「HLG」って何? - 価格.comマガジン
HDR400, 600
HDR10のさらに上位です.数値は対応する最大輝度[nits]を表し,HDR10の40倍や60倍性能が高いわけではありません.
参考:【PR】1,000nitの高輝度とHDRで映画はここまで変わる! PhilipsのDisplayHDR 1000対応液晶を鳥居一豊氏が徹底解剖- PC Watch
応答速度
ディスプレイに信号が送られてから実際に表示するまでの時間です.短ければ短いほど良いものですが,一般人が気にするような値ではありません.
一部のゲーマーはゲーミングディスプレイという公称の応答速度が早い(そして高価な)ものを好みます.
HDMI / DP
各映像入力端子HDMIとDisplayPortの数です.これらの端子はPC,ディスプレイ,そしてケーブルそれぞれにバージョンがあり,挿さる=使えるではない点に注意してください.
HDMIの方が古い規格のため,相性問題が起きやすいです(出来る限りディスプレイ付属のケーブルを使うのが良いです).
高解像度なディスプレイではDisplayPortが好んで使われます.
LGのディスプレイには基本的にDisplay Port および HDMIが両方搭載されており、ケーブルも1本ずつ付属しています。
USB-C
USB Type-C端子を搭載するディスプレイが一部発売されています.
USB Type-C端子はUSB信号のほかにAlternate Modeという機能でDisplayPortの信号を伝えることができます.
また,パソコンの充電にも用いられることから,USB Type-Cではこれら3つの機能「映像+USB+充電」を1本のケーブルで行うことができます.
ただし,接続するパソコンの性能の都合でUSBの伝送速度が遅く(USB 2.0に)なる場合が多いほか,最大の給電電力に制限があるなど,性能に限りがあることに注意が必要です.
縦向
画面を縦向きに回転することができます.
校正
ディスプレイによって同じ画像を表示してもすこしだけ異なる色で表示されることがあります.
プロ向けのディスプレイでは,工場で出荷時に専用の機械で測定し,調整を行います.
また,高級な一部のディスプレイでは定期的に検査・測定できるよう,別売りの測定器を接続できるようになっています.
表では工場調整済みのものを○,自身で測定できるものを◎で表しています.
PBP / PIP
Picture by Picture,Picture in Pictureの略で,2つ以上の画面を同時表示するモードのことをさします.
一部のディスプレイではディスプレイを2分割して,それぞれで異なるディスプレイであるかのように,2つの入力端子の映像を同時に表示できます(PBP).
また,ごく一部のディスプレイでは,通常のディスプレイ表示の上に,小さく別の入力端子からの映像を重ねて表示できます(PIP).
私の「LG 27UL500-W」購入体験記(2019年時点)
以上の調査を得て,私は27UL500-Wを購入しました!
滑らかな描写を可能にする「FreeSync」や、映像出力のタイムラグを抑える「DASモード」
暗いシーンの視認性を高める「ブラックスタビライザー」などのゲーム機能
目への負担を軽減する「フリッカーセーフ」や「ブルーライト低減モード」も搭載
入力端子:HDMI×2、DisplayPort×1
輝度:300cd/㎡(標準) / 応答速度:5ms
チルト:-5~15° / 壁掛け:100×100mm
理由は,
- 購入時点で他のディスプレイに比べて安かった
- 最大輝度が300cd/m2を超えている
- USB Type-C端子は不要
というものです.
4Kディスプレイは5万円程度するもの,という先入観を持っていたのでより安かった27UL500は魅力的でした.
輝度については価格とある程度比例しているので,お財布事情と合わせて考えていただければ良いと思います.
USB Type-C端子に関しては,私は不要だと考えました.というのも,私はUSB Type-C端子は「ドッキングステーション」でこそ輝く規格だという強い信念を持っているからです.
↓ぜひディスプレイといっしょに買ってください!!!!↓
ドッキングステーションを使えばUSB Type-C端子の性能をフルに発揮でき,超高速なUSB のほか,多くの周辺機器を接続できます.また接続したMacをフルスピードで充電することができます.
私のおすすめ
私の購入した時から時間が空くにつれ、私が悔し涙を流してしまうほどの素晴らしい製品が多数登場してきました。
その中からオススメをいくつか紹介します。
提案1: USB Type-Cもついた超コスパディスプレイ 27UP550
27UP550は300nitsの明るさやHDR10などを備え非常に綺麗なディスプレイです。それでいて、USB Type-Cからの映像入力に対応し、かつ最大96WのUSB Power DeliveryによるノートPC(MacBook Air / Pro)充電に対応します。
これはほんの1〜2年前まで10万円くらいのディスプレイにしか無かった機能ですが、このディスプレイは実勢価格5万円未満となっています。
驚くほどの高コスパです。
提案2: HDR400や高演色規格 DCI-P3 95%対応を掲げる高性能ディスプレイ
27UP600はHDR400というHDR10の上位規格に対応しており、その名の通り400nitsの非常に明るいディスプレイです。対応しているコンテンツであれば、明暗をよりくっきりさせた美しい映像を楽しむことができます。
それだけでなく、DCI-P3 95%に対応しています。これは標準的なsRGB色空間よりも多彩な色を再現できることを示しており、これまでディスプレイではうまく表せなかった色域を美しく表現することができます。
これはプロ向けのディスプレイに要求される性能であり、通常であれば、そういった製品は非常に高価(15万円〜)です。
にもかかわらず、この製品はわずか5万円未満であり、色にこだわりを持つ方であれば、間違いなくおすすめです。
一方でUSB Type-Cを搭載していないため、ドッキングステーションを併用するなどしたほうがよさそうです。
おまけ UHD-BDの再生環境
HDRのブルーレイを再生するにはHDR対応のブルーレイドライブが必要ですので注意してください.