ラズパイコンテストに応募するため(正確に言えば,ラズパイコンテストで無償提供いただいたOmronのセンサを活用するため)にRaspberry Piを車載してみました.といっても大した作品じゃありません.
この作品で以下のことができます.
- 車室環境をセンサでモニタリングし,表示する
- 走行時の騒音に応じてオーディオの音量を変える
- 夜間やトンネルのライトつけ忘れ,つけっ放しを防止する
構成要素
以上のことを実現するために以下を行いました
- Omronの環境センサをRaspberry Piで読めるようにする
- Raspberry Piとディスプレイをナビ風の図体に押し込む
- センサ情報をkivyでディスプレイにGUIで表示する
- Raspberry Piによる音量制御が可能なオーディオアンプを製作する
- Raspberry Piから車のライトの点灯状況を監視できるようにする
このうち上2つをこの記事で,残り3つを続きの記事で扱います.
Omronの環境センサをRaspberry Piで読めるようにする
Omronの環境センサ「2JCIE-BL01」は
- 温度センサ
- 湿度センサ
- 気圧センサ
- 環境光センサ
- UVセンサ
- 騒音センサ
- 加速度センサ※
を搭載し,さらに
- 不快指数
- 熱中症危険度
- バッテリ電圧
- 電波強度
を含めてBluetooth LowEnergy(BLE)を経由して送信できます.
※加速度センサは付いていない機種もあるようです.
なのに非常に小型でチロルチョコ大の大きさです.
ボタンなどはついておらず.すべてBLE経由でやりとりします.
電源はCR2032電池を内蔵しており,手で外せる裏蓋から交換可能です.
センサ単体で買ってスマートフォンなどで計測値を閲覧することもできますが,GithubにあげられているPythonコードを用いることでRaspberry Pi 3から使用できます.
使用体験は過去記事にあげてあります.
サンプルコードは,センサ単体の使用を想定したものであったため,他のコードから参照できるよう,クラス化などの変更を加えた上で,GUIコードなどとマルチスレッドで動作するようにしました.
公開したいのですが,ライセンスが明示されていないため,厳しいかと.できそうなら,GitHubかなんかにあげようと思います.
Raspberry Piとディスプレイをナビ風の図体に押し込む
私は2003年製造のトヨタイストという車に乗っています.
2013年に中古で購入しました.
最近の車種にありがちなおしゃれな機能がほぼ無い,とてもシンプルな車です.
中古車の購入当時,CD-ROMの地図を読み込むタイプの古くさいナビが付いていたのですが...
1年後,(原因不明ながら)ディスプレイが点灯しなくなってしまいました.
そもそも1年間まったく使った事がなかったため,そのまま取り外していました.
今回は,このナビのあったスペースにRaspberry Pi 3とディスプレイを突っ込むことにします.
ナビの取り付け部分を採寸し,モデル化しました.
これを元に構成要素を決めていきます.
ディスプレイは当初小さめな(5インチくらいの)ものを用いようと思っていましたが,タイミングよく人から7inchのディスプレイをもらうことができました.
cocopar® Raspberry Pi 7インチHDMI タッチモニター ディスプレイ タッチスクリーン Pi 3B 2B B A A B 用
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これをCADモデル化し,当てはめてみると,,
ぴったりじゃないですか!!
というわけで採用決定です.
ただ困ったことに,もらったディスプレイは,物理的にタッチパネル関係の配線(フラットケーブル)が損傷しており,タッチパネルが動作しません.とりあえず操作の必要ない構成とし,今後必要が生じた場合にはディスプレイを買い直すことになりそうです.
またぴったりすぎるため配線を取り回す隙間が確保できません.
ディスプレイのHDMIとUSB(電源)は横の側面から接続する形であり,普通に接続すれば,横にはみ出して引っかかってしまいます.
HDMIについては,同時にもらった3.5インチのディスプレイ
(これに類するやつ)
についてきたこのHDMIオスオスアダプタ(?)を使います.これと短い延長ケーブル
ハイスピード HDMI 延長ケーブル 金メッキ 30cm HDMIタイプAオス&メス 接続コード AV ビジュアル
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を合わせ,180度折り返す形で後方に持っていきます.
USBについては,L字のケーブルを用いて曲げようとしましたが,
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これでもはみ出しが大きすぎたため,ハンダで直付けすることにしました.
これで,とりあえずディスプレイは入りそうです.
次にケースです.
本当はケースはアルミ板から作ろうかな?と思ったのですが,ナビを限界まで分解すれば,それがケースになることに気づき,ナビを分解することにします.
限界まで分解しきったものがこちらです.
固定穴がいっぱいあっていい枠です.
Raspberry Piとディスプレイを仮配置してみましょう.
なんかそれっぽい!!
なお,裏から見てRaspberry Piの左に写っているものは12→5Vに落とすUSB電源です.
SODIAL(R) 2ポートのUSB硫酸アルミニウムカリウム、12V自動ボアチュールを注ぎます
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続けて車に取り付けてみました.
なんかナビっぽい!!事前のモデル通り,非常に良い収まりでした.あと高さが1mm大きかったら入ってないでしょう.
車からの電源の供給ですが,普通はシガーソケットを用います.
ただ,残念なことに,この車はひと昔前では珍しい完全禁煙車です.
そして,今の完全禁煙車とは違い,電装品用のシガーソケットすらありません.
そこで,元カーナビがあった場所ということで,カーナビの配線から電源を取ることにします.
トヨタのカーナビ製品は10Pコネクタというもので電源とスピーカーに接続されているようで,これ一つで3種類の電源(常時,ACC,イルミ)とLRのスピーカーにアクセスできる便利なコネクタです.
そしてAliExpressにこれに適合した配線がありました.
ここから引っ張り出した12V電源のうち,ACCをラズパイ,ディスプレイの電源としています.
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