(書きかけの記事)
この記事は先日大崎駅付近の地図を見ていたときにふと思いついたことについて、まとめたものです。最初はシンプルな思いつきでしたが考えれば考えるほどいろんな可能性や問題が出てきて非常に面白かったので記事にまとめておきたいと思いました。もっと端的に言うと、オタクの妄想をノリで怪文書に仕立てました。
以下の点にご留意ください。
- 別に優れた案だとは思っていない
- 著者はなんらプロフェッショナルではない
- 類似の計画や噂があるというわけではない
- なんの根拠にも基づかない
- 大崎短絡線に比べて優位的という主張ではない
- 実現可能性が高いという主張ではない
概要
大崎駅および周辺の配線を大規模改良し、ホームを合計2面2線分増設します。これまでホームが無く、渋谷方と品川方の療法で平面交差を生じていた山手貨物線は新しく増設したホームへのアプローチ線を建設することで、平面交差を解消し、大崎駅に停車できるようになります。


衛星画像はApple Mapより。
このアプローチ線および新ホームを利用して、埼京線を品川方面に直通させたり、総武・横須賀線の一部列車を大崎駅に経由させたりできるようになります。またこれらの路線再編を通して蛇窪信号場での平面交差を間接的に減らすことができます。
問題の背景
大崎駅付近のJR線はやや複雑な構造となっています。特に
- 横須賀線
- 湘南新宿ライン
- 成田エクスプレス(新宿〜成田空港の系統)
はそれぞれ線路を共有しつつも、途中で異なる線路に進路を変え、その途中で対向する向きの線路をまたぐ「平面交差」が生じています。

特に、横須賀線と湘南新宿ラインが大崎駅の南側にて平面交差で分岐する地点(蛇窪信号場)では、朝ラッシュ時ほぼ2分間隔で列車が走る屈指の過密路線にもかかわらず、対向する列車が待たなければならない場面が生じ、ダイヤ乱れにつながっています。
この問題の解消のために、JRはかつて「大崎短絡線」などと呼ばれている計画について検討しています。この計画では、横須賀線から平面交差せずに大崎駅へ向かう新しい短絡線を建設するという構想が具体的に打ち出されましたが、
- 複数の民有地を通過する
- 民有地(マンション)の四方が線路で完全に囲われてしまう
- 「実施基準上の最も厳しい曲線半径および勾配」が必須である
- 道路の「盤下げ」(アンダーパス)が必要
- 大崎駅ホームを北にずらす必要
などの問題を内包していました。この計画の重要性は言うまでもなく、一部用地の買収が報告されたりもしていたのですが、周辺住民の反対や世の中を取り巻く事情もあってか、結局建設には至っていないようです。
本記事では、この大崎短絡線に変わり、上記の問題を解消しうる構想案を考えましたので、その構想案の内容をまとめ、メリットとデメリットを検証します。
問題設定
構想案の説明の前に、この構想案では上記の大崎短絡線で解決しようとしていた平面交差の問題以外にも問題だと感じているいくつかの事柄についても解決を試みます。
横須賀線の使いにくさ
横須賀線は1時間に4本しか走っていないし、多くの路線が同じ線路を共有する関係上、均等なダイヤとなっていません。1本逃すと次の電車を20分近く待たなければならないことがあります。
以下は新川崎駅の東京方面の時刻表ですが、最大で18分待ちのダイヤとなっています。

大崎〜品川間の輸送の貧弱さ
品川〜上野には京浜東北線や上野東京ライン、大崎〜池袋には埼京線や湘南新宿ラインなどが走る一方、大崎〜品川の1駅間には山手線しか走っていません。人身事故や工事などにより山手線が停止した場合に、山手線の東西を移動する手段は限られており、新橋〜渋谷の銀座線などに人が集中する結果となります。
この区間には山手貨物線の線路もありますが、大崎駅の北で埼京線・湘南新宿ラインと、大崎駅と品川の間で横須賀線と平面交差することもあり、成田エクスプレスにしか使用されていません。
埼京線の池袋〜大崎直通する本数の少なさ
埼京線はりんかい線に直通する列車を除くと新宿で折り返す列車が多くあり、新宿〜大崎間の本数はほぼ半減します。さらにそのうち相鉄線からの直通列車は新宿止まりのため、大崎〜池袋間を直通する埼京線は1時間3本だけです。
以下は池袋駅の埼京線新宿方面の時刻表ですが、「新」は新木場行きの意味で、無印が新宿止まりです。ほとんどが新宿止まりであることがわかります。

5〜8番線の狭小で危険なホーム
埼京線・りんかい線は一部直通運転していますが、それ以外に当駅始発・終着の列車も多く運行されています。また異なる方面に行く山手線や湘南新宿ラインからの乗り換え需要も大きいため、大崎駅の埼京線・りんかい線ホームでは多くの利用客が滞留してしまいます。
しかしながら埼京線・りんかい線等が使用する5〜8番線はホーム幅が狭く、最大でも7.5m程度、15両編成を使用する湘南新宿ラインが使用する先端部分は3mほどしかありません。 また埼京線と湘南新宿ラインの両数が異なることもあり、狭小なホームで利用者が多いにもかかわらず現状ホームドアを設置できていません。
5・8番線の過密利用
5・8番線には
- 埼京線りんかい線直通
- 埼京線相鉄線直通
- 湘南新宿ライン
などが使用します。その内側にある6・7番線はりんかい線線内折り返しに使用されることが多いため、5・8番線は山手貨物線渋谷方面を走行するほぼ全ての列車が使用します。一部の列車は乗務員交代などもするためホームが混雑し、日中でも後続の列車がホームに進入できず、線路上で待機する光景がしばしば見られます。
構想案の内容
品川方面新アプローチ線
この構想案では大崎駅が抱える問題の解決策として山手貨物線品川方面から大崎駅に至る線路(アプローチ線)を新設します。
これまでも同様の線路がありましたが、これまでの同線は大崎駅の中央を通過しており、ホームがありませんでした。また大崎駅北側や南側で平面交差しており、この線路の使い勝手が悪い状態でした。
そこでこのアプローチ線を他路線と平面交差なしで、しかも大崎駅にホームを設けられるように改良することを目指します。
山手貨物線はもともとその名の通り貨物線であるため、スロープの勾配がゆるく(おそらく15〜25‰程度で)作られています。新アプローチ線は勾配を在来線の限度となる35〜40‰程度に増加させた上、既存のアプローチ線の南側から降りていく形とすることで、大崎駅の南側で他の線路と同一レベルとなるようにします。
現在のアプローチ線の南側には、JR東海の変電所やJR東日本の詰所など鉄道関連施設がありますが、これらの施設用地の一部を利用します。


ホームの移設・増設
大崎駅は現在4面8線あり、山手線が2面4線(外回りと内回りにそれぞれ副本線、東京総合車両センターからの車両の出入りに使用される)と山手貨物線を走行する埼京線・りんかい線・湘南新宿ラインなどに2面4線(内側2線は主にりんかい線や埼京線が使用)使われています。
また、ほかに山手貨物線品川方面へのアプローチ線があり、成田エクスプレス(新宿系統)が通りますが、そこにはホームがありません。
山手貨物線(埼京線)のホームを6線に
本構想では、山手貨物線のボトルネックを解消しより多く活用できるようにするため、同線大崎駅が利用できるホームを増やします。
現在は2面4線で埼京線・りんかい線・湘南新宿ラインを捌いていますが、これに1面2線足して3面6線とします。
現在はすべて15両編成のホーム長がありますが、埼京線・りんかい線系統は10両編成ですので、追加される1面2線は10両編成対応とします。

山手線新1番線を東側に新設
上記山手貨物線(埼京線)のホームを増やすにあたって、本来は西側の用地を活用したいのですが、残念ながら西側すぐに道路などがあり、拡張は容易ではありません。

そこで、山手線側をさらに東側に拡張する方法を選択します。

大崎駅東側にある駅の出入り口などの空間を活用して山手線を東側に移設します。
この大崎駅の東側の空間には現在
- 駅の出入り口
- JRの事務所のような施設
- 駐車場
- 飲食店
などがあり、そのさらに東側の道路に面しています。
これらはJR東日本が土地を持っている可能性が高いと見て、「比較的には」土地の収用がしやすいと考えました。
ぱっと見、8-10mしか幅が無さそうですが、横の歩道の一部や側道の用地を活用するなどして、この空間を利用して
- 追加の線路(山手線内回りの副本線)x1
- 追加のホーム(新1番線)
を設けます。
また、あわせて利用頻度が少ない4番線(山手線外回り副本線、当駅始発・終着などが使用)を北側に移設するなどして、山手貨物線用にホーム用地を捻出します。
最終的な配線・ホームの構成
上記の工程を経て、最終的なホーム配置は以下のようなイメージとなります。

現況からホームを2島分も増やすことになりますが、山手貨物線スロープの南側への移設や山手線の東側への移設など配置を工夫することでおおよそ入りそうという感覚です。
ただし、ほぼすべてのホームに手を付ける必要があり、かなり工事が大規模になります。
想定される駅施設の運用(山手線)
山手線は最終的にこれまで同様に4つのホーム・線路を確保します。ただし、これまでは外回りと内回りでそれぞれ島式ホームとなっており、もし大崎止まりの電車が到着しても隣のホームから後続の電車に乗り換える事ができました。
本構想においてはそのような乗り換えができなくなり、階段の上り下りが生じます。ただし一つ手前(外回り:品川、内回り、五反田)での乗り換えを推奨することで回避可能です。
東京総合車両センターへの出入りを考えて、これまで同様に外回り・内回りともに東側が本線、西側が副本線となります。
想定される駅施設の運用(山手貨物線:埼京線・りんかい線・湘南新宿ライン・成田エクスプレス)
山手貨物線には6〜10番線の6つのホーム・線路が割り当てられます。
現在は2面4線ですが、3面6線に増加します。
りんかい線と、りんかい線と直通する埼京線は主に中央の7、8番線を使用します。
最も外側の5番線と10番線は湘南新宿ラインなどが使用するほか、成田エクスプレスが通過します。
6、9番線は新しく作られた山手貨物線のスロープに関連して使用されます。
新しい運転系統
新しく作られたスロープおよびホームなどの構造物により、大崎駅周辺を取り巻く列車の運転系統の再編が可能となります。
この節ではそれぞれ変更が可能な運転系統について紹介していきます。
総武線大崎止まり
現在、横須賀・総武快速線系統は総武線側のほうが利用が多いことから一部東京駅や品川駅で総武線側に折り返す運用になっています。 これを大崎駅まで延長し、大崎駅6または9番線で折り返します。
埼京線大崎折り返し・品川方面直通
これまで池袋方面から新宿で折り返していた埼京線を大崎駅や品川方面に延長します。
大崎駅から新しいアプローチ線を通ると、横須賀線が使用する品川駅の13〜15番線に到着します。このうち14番線にて折り返しが可能です。
現状は総武線東京側からの折り返しに使用していますが、これを変更して、埼京線の品川駅での折り返しに活用します。
さらに、品川より先へも直通できます。例えば東京駅まで直通して、そこで折り返すことも可能です。
横須賀線の大崎折り返し
この大崎駅改良案では、線路の改良により平面交差などの減少を図りましたが、蛇窪信号場での横須賀線と湘南新宿ラインの平面交差に関して根本解決ができていません。
相鉄線 品川方面直通
相鉄線は2019年よりJR線との直通を行っており、埼京線との相互直通運転が始まりました。
ただし、2023年より、相鉄・東急新横浜線が全線開業し、経路が被っていて、所要時間や本数で不利な相鉄・JR直通線の利用者は決して多いとは言えない状態です。
そこで、品川方面への直通が考えられます。実際、相鉄は品川方面への直通を要望してきたこともあり、品川や東京のオフィス街への乗換なしでのアクセスは悲願だと思われます。
品川方面に直通する案を2つ考えました。
相鉄線品川方面直通<ダイレクト直通案>
今回埼京線が品川方面に乗り入れるのを期に、埼京線との直通運転を廃止し、品川や東京方面へと直通します。
横須賀線と同様に西大井から品川方面にダイレクトで(大崎駅を経由せずに)入線します。
直通に必要な折り返し線は総武線が大崎駅折り返しとなって余裕が出た品川駅14番線や東京駅のホームを活用します。
直通に使用する車両は変更せず、JR側はE233系の10両編成となります。ただし、品川に入線する埼京線とは車両の向きが異なります。
車両の向きは相鉄JR直通線のすべての車両の向きを逆転してもよいし、それをせずに埼京線とは異なる車両運用として独立してしまう事もできます。
相鉄線品川方面直通<大崎駅折り返し案>
相鉄JR直通線はこれまで同様大崎駅に直通します。ただし、大崎駅でスイッチバックし新しいスロープ線を活用して品川方面に入線します。
現在の埼京線と車両の向きが変わらないため、これまで通り新宿方面へも直通が可能です。
まとめ
メリット
- 蛇窪信号場での平面交差の低減
- 大崎駅の利便性向上
- ダイヤ乱れ時、大崎駅で系統を分離できる
- 品鶴線のキャパシティ向上
- 成田エクスプレスの平面交差解消
- 品川〜大崎輸送の冗長性
- 総武快速線渋谷・新宿直通の実現(緩行線でよいけど)
- 大崎駅のホーム混雑率低下
- 配線の作り方次第で対面乗り換えで別方面に乗り換えられるようにできる
デメリット
- 横須賀線にスイッチバックが生じる
- 横須賀線の折り返しのポイントが遠い、単線並列区間がある
- りんかい線との乗り換えに上下移動が生じる
- 編成の向きが変わる
- ホームごとに別路線が乗り入れるようにすると旅客案内上難しくなる
大崎短絡線と比べたメリット
- 周辺環境に対する影響が少ない可能性がある
- 自社用地と思しき場所で完結する
参考文献 湘南新宿ラインに関わる平面交差支障の解消に関して http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00061/2005/32-04-0005.pdf





